2017年 <大雪号>  
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第79  
     
 

工房に預けるカヌー秋涼し  

内田こでまり
  神棚にメダルが三つ休暇明   立本美知代
  朝顔や行つてきますを三度言ふ   岡村潤一
 

残響に継ぐ残響や秋の蟬  

藤井あかり
  もの吊れば踏み台に秋来てをりぬ   田中英花
 

碑の高きが二つ小鳥くる  

対中いずみ
  小鳥来て舞台衣装の打ち合せ   山田 澪
  病み抜けし笑顔なりけり敬老日   島村弥寿子
 

木洩れ日に若き貌なる穴惑  

山下きさ
  草の間に蟋蟀の腿あらはるる   宇田川指月
 

摑まれて蝗の吐きしものすこし  

田野いなご
  蒼穹の飛蝗日和となりにけり   小林すみれ
  高階に昼の灯いくつ秋黴雨   あかね雲
 

夕星や玉葱と吊る鷹の爪  

小椋 螢
  宵つ張り男に蚯蚓鳴きにけり   川島 葵
 

秋めくやピエロが涙描き終へて  

ふけとしこ
  アパートのひと部屋空きぬ雁渡   福田鬼晶
 

雲がありその影があり鷹渡る  

曳地義治
 

電柱にステップボルト鰯雲  

田口くるみ
 

吊皮に届く手の欲し秋の雲  

市川薹子
  秋晴をぎいと渡しの櫂ぎいと   林田裕章
 

青天や蓮の葉は露こぼしきり  

とちおとめ
  水叩く子どもに九月来たりけり   海津篤子
  梨食むや内なる川の秘かなる   橘川昭世
 

水は手を引き寄するもの稲の秋  

亀井千代志
 

かばかりの日向にひろげ胡麻筵  

田草川㓛子
 

食べられぬ柿の盛りと出会ひをり  

清水冬芽
  栗飯を炊けば箸置き楽しけれ   つゆ草
  落ちて咲き落ちて確かな木槿かな   佐々木ヒロシ
  烏瓜熟れてどうにも一人きり   髙橋白崔
  朽ちゆくや糸瓜の棚も揚舟も   藤井紀子
 

しきしまは蔦や葛のにぎはしき  

白石正人
  留守でなきことに驚く竹の春   小関菜都子
  金木犀テレビを消せば雨の音   後閑達雄
 

竜胆や屈めば腹のぬくもれる  

水原節子
  露草の青零れたる目覚めたる   古谷智子
 

水やればからころ鳴りぬ断腸花  

田中遥子
  捨てられしコスモス俄然立ちあがり   市川英一
  疾走のあとの脈音秋桜   西田克憲
 

渡れざる流れに投げて茨の実  

上田りん
 

引き結ぶ口元のやう萩の花  

黒澤さや
  萩の揺れやがて大地の揺れとなる   江口あをね
 

酔芙蓉午後がこんなに長いとは  

近藤せきれい
 

青みかん先に謝られてしまふ  

ぱんだ
  一掬の水に片雲新豆腐  村上紀子
 

カウンターさつと一拭き今年酒  

森 木聖
  秋の翳宿して江戸の欠茶碗   境野大波
 

秋ゆくや電話の中の母の声   

安藤恭子
 

エンジンの吹き上がりたる草の絮

石田郷子
     
     
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