2018年 <小満号>    
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第81  
     
 

百合鷗紙ちる音をたてにけり  

対中いずみ
 

妻の目に適ふまではと掃納  

上條あきを
 

日が溜まる大根畑の足跡に  

ふけとしこ
  なにごとも休み休みや年木積む   蓬子
 

北斎の波は砕けて年逝けり  

棚網かける
 

スタインウェイ・ピアノあるいは冬銀河

藤井あかり
  一月の淡き日影を踏みにけり   境野大波
 

追羽子や富士は見えねど富士見坂

森 木聖
  追羽子のスマッシュそれを返しけり   亀井千代志
  高齢の四人となりし初句会   内山治子
  らふ梅にはな紅梅につぼみかな   小椋 螢
 

羽づくろふ一禽にゆれ冬の水  

とちおとめ
 

熱燗や水尾ひいてゆく言葉尻  

水原節子
 

くらがりに雪落つ叔母の忌と思ふ  

田中英花
  哀しみに触らぬやうに冬苺   曳地義治
 

水洟やとどめる術もなかりける  

佐々木ヒロシ
 

餠花を貫く枝のささくれる  

かたしま真実
  繭玉や日の届きたる膝頭   立本美知代
  人とゆく大青空や松納   田草川㓛子
 

ゆきひらのびつくり水も寒九かな  

市川薹子
  里人の勘に任せよ探梅行   白石正人
 

洛中を雨が霙になり雪に  

飯沼瑶子
  雪掻きや隣りの人も同じ歳   鷺谷英一郎
 

前任の置いてゆきたる室の花  

上田りん
 

日の暈のやはらかくあり冬牡丹  

海津篤子
 

白息の集まつてくる陶器市  

黒澤さや
 

榾の主ポールモーリア聴いてをり  

曳地トシ
 

針箱に待針の花久女の忌  

中村なのはな
  下校子の大人のやうな嚏かな   川島 葵
 

東に大屋根見えて寒明くる  

山下きさ
  漆喰の空より牡丹雪降れり   渡井佳代子
 

早春の鳥のなまへを言へますか  

小林すみれ
  切株にみづうみのある二月かな   市川英一
 

二ン月の木の天辺に目をならす  

ぱんだ
  頰杖の小指つめたし梅の花   田中遥子
  山笑ふアイゼンぐしやとぶら下げて   内田こでまり
 

花種を蒔いてどこにでも行ける  

岡みやこ
  新しき巣箱の穴の真つ黒き   村上紀子
  遠くまで出かけて来ます猫の恋   太田玲子
  蠅生まる露店の卓にフォー啜り   髙橋白崔
 

富士山を光背にしてふらここに  

西原けやき
  誰も来ないよ幽かなる蜷の道   古谷智子
  つひに母捨てしと思ふ朧かな   林田裕章
  暗がりに薬箱ある雪解かな   安藤恭子
 

病棟の出入の音も雛の夜  

田野いなご
 

死ぬふりの蜘蛛を見てゐてあたたかし  

石田郷子
     
     
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