2020年 <芒種号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第94

 
     
  青空を見せて雛を納めけり  

ふけとしこ
  天井に水照の襞や雛納  

上田りん
  冠の緒ゆるくなりたり古雛  

くろすようこ
  雨戸曳くこつ合ひ山の笑ひけり  

田草川㓛子
  鳥雲に入りてひとりの卓につく   安藤恭子
  残る鴨時洋々とありにけり  

宇田川指月
  眦に海の明るさしらす丼  

福田鬼晶
  髪の毛のいとうるさくて彼岸西風   亀井千代志
  学校にチャイムの鳴らぬ遅日かな   立本美知代
  いつせいに紙反す音つばめ来る   小椋 螢
  古瓦照りてわが家や燕くる   

とちおとめ
  鷽鳴けば首から上が透き通る  

水原節子
  目薬の沁みるいつとき養花天   髙橋白崔
  渦巻きの起点はわたし春日傘  

黒澤さや
  マラソンの出発点のミモザかな  

守屋さつき
  両足のロケットを噴射して春   市川英一
  町の井戸大切にされ竹の秋   白石正人
  父やせて菜の花の黄の眩しさう  

ぱんだ
  古草や傘をたためば電車来て   田中英花
  毒足りぬ我にきつねのぼたんかな  

市川薹子
  すかんぽをスイバと言へばつまらなし   小島柚子
  ぎしぎしや膝に子供のころの傷   山田 澪
  おむつのすとんとしりもち野に遊ぶ   佐藤緑子
  春風のシャツを結びて側転す   味八木恭子
  自転車の数の子がゐる苜蓿   小関菜都子
  ぶらんこをふはりとおりて姉妹  

今田裕子
  アネモネや展翅のやうに子はねむり   藤井紀子
  地球儀の糊しろ広し蝶の昼  

小林すみれ
  沈丁や一番星に友悼み  

中村なのはな
  雪白の器並びぬ春灯  

藤井あかり
  ていねいに米研ぎをれば遠蛙  

熊谷かりん
  はうれん草刻む来世も愉しさう   瀬名杏香
  春暁の目覚めて手足なつかしく  

柚子谷イネ
  小綬鶏やなつかしかりし朝の夢   花野日余子
  芽吹きつつ欅となつてゆきにけり   古谷智子
  療法士若くて素敵サイネリヤ  

高橋すすむ
  病院の静かなテレビ春深し   後閑達雄
  草臥れた春のマスクを掛け直す  

森 木聖
  外したるマスクの跡や花曇り  

曳地トシ
  春霞消えて物干竿冷た  

山下きさ
  嘶きに胸の深淵草朧  

あをね
  痩せたので心配してた花苺  

内田こでまり
  よけてゐる人へよろける春愁  

佐々木ヒロシ
  緋躑躅の垣に熊手の置き忘れ   境野大波
  牡丹に風出て父の忌なりけり   海津篤子
  声かけて人振り向かす立夏かな   石田郷子
     
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