2019年 <処暑号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第89  
     
 

花過の顔立ちが変はつたといふ  

藤井あかり
 

なかよしもりぼんも読みぬ豆の花  

黒澤さや
  恐竜がベンチにすわつてゐる躑躅   水原節子
  東京の真ん中の昼蛙鳴く   澤潟邦安
 

ねぢ巻けば秒針かろし夏はじめ  

佐々木ヒロシ
  爪弾いて響く硝子器夏きざす   髙橋白崔
  木の上に鶏のゐる薄暑かな   立本美知代
 

山墓は正面にあり柏餠  

山下きさ
  矢車のおと花街の燈に近く   小椋 螢
 

草の王せつなくなれば捨てにけり  

柚子谷イネ
  雨傘にをさまるからだ薔薇を見る   瀬名杏香
 

ひとまたぎすれば夕刻花わさび  

内田こでまり
  銀蘭や雑木林に風の道   花野日余子
  牡丹から見えぬ所に喫煙所   後閑達雄
 

日本海海戦とべら匂ふころ  

西田邦一
  パーゴラに眠る人あり樫の花   白石正人
 

バスケットゴールが一つ花蜜柑  

対中いずみ
  花栗やカーブミラーにバスの来て   田中遥子
  星一つ死して咲きたるクレマチス   山月
  夏燕コリアタウンを翔けにけり   真鍋千枝子
  母となる人に涼しき脹脛   浜本三晴
  水飲めば瞳の濡れる夏木立   中西 碧
 

緑さす奏楽堂やルビー婚  

岡みやこ
 

枠打ちの太鼓に田水張りにけり  

安藤恭子
 

万緑に七堂伽藍ゆるぎなし  

鈴木しずか
 

扁額の壽山福海明易し  

飯沼瑶子
 

窓一つ残して花舗の蔦青し  

ぱんだ
  青葉闇風棲む洞のありさうな   福田鬼晶
 

夏祓昼の灯影の濃かりける  

田中英花
  敷藁をななめななめに蛇過ぎる   市川薹子
 

鳩雀そして昼咲月見草  

ふけとしこ
  葷酒山門に入るを許さず蟻の列   森 木聖
 

獣道らし山桑の実がこぼれ  

とちおとめ
  潮騒は産土のこゑ夏薊   青嶺
  落とし物しさうな夏の荒磯かな   亀井千代志
  冷奴あいつが来ないとはさみし   林田裕章
 

痛さうな顔して呷るビールかな  

上田りん
  胸裂けるほど青桐に近くゐる   海津篤子
 

虫干や母の小紋の藍深く  

小林すみれ
  滴りや苔のひかりを畏れつつ   山音
  天地の声明に山滴れり   田草川㓛子
  滝壺に沈めてしまひたくもあり   近藤千津子
 

心ごと猫を抱き上げ夜半の夏  

川島 葵
  君待ちてをるならばかの梅雨の庭   境野大波
  遠すぎる声と思ひぬ時鳥   石田郷子
     
     
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