2020年 <立秋号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第95

 
     
  遠会釈して藤棚をひとめぐり  

柚子谷イネ
  とりどりの春のマスクとすれ違ふ   立本美知代
  ひとり増え車座めくや蝶の昼  

田口くるみ
  れんげさう摘む妹と編む姉と  

こさみみさこ
  桜蘂降る風もなく声もなく   飯沼瑶子
  水差しに桜蘂降る夕べかな  

小杉健一
  裏口の灯る八十八夜かな   小椋 螢
  蛇穴を出でて孤独をくり返し   市川英一
  母よりも息子白髪柏餠   あかね雲
  父の名の懐かしがられ柏餠   白石正人
  八ミリにレガッタの父若きこと  

上田りん
  若葉まだつめたき朝を歩きたる  

黒澤さや
  照り返すもののひとつに柿若葉   山音
  君の目の球体に閉づ柿若葉   味八木恭子
  会釈して水木の花の開く頃  

あをね
  東京は人想ふ街桐の花   海津篤子
  朴は花かかげて礼を尽しけり  

藤井あかり
  朴の花つと体幹の崩れをり   山澤一帰
  薔薇抱きて鏡の前に立てば幕   水原節子
  Clousedあふるる薔薇の垣に掛け   安藤恭子
  桑苺つむやきらつと狐雨  

とちおとめ
  夏衣ふんはり羽織る誕生日  

近藤あかね
  腰入れて茶箱を曳くや更衣   田草川㓛子
  落梅や鶏鳴は布裂くやうに   髙橋白崔
  我の背を打ちたる梅も拾ひけり  

佐藤緑子
  やつと会へたねなんぢやもんぢやが花零す  棚網 鮎
  再会の手を上げ梅雨の傘を上げ  

ふけとしこ
  関東も梅雨入りしたる腕枕   亀井千代志
  沙羅の花こころゆくまで睡りけり  

近藤せきれい
  眠りたる水母渾身の静謐  

福田鬼晶
  多羅葉の花や会ひたき人の夢   かたしま真実
  拳ほど青空見えて竜の髭   市川薹子
  ばさばさと傘の水切る夏袴  

森 木聖
  さなぶりや一合枡が膝の前  

藤井紀子
  この色じやないと云はれし四葩かな  

近藤千津子
  居候として花茄子に水を遣る  

瀬名杏香
  風知草玄関の扉は開けておく  

山下きさ
  時鳥未明の朝を抉じ開ける  

佐々木ヒロシ
  籠る日々解けて初蟬聞きにけり  

小林すみれ
  蜘蛛の囲の生絹色なる雨の粒   佐々木葉津
  夜景見る顔が映りて火取虫  

せいじ
  マスクにも白髪にも馴れ日傘かな  

村上典美
  ラムネ玉鳴らし太陽青く塗る  

ぱんだ
  雲の峰ここでくたばつてはならじ  

林田裕章
  涼しさや椋の大樹の亭々と   境野大波
  夜鷹鳴く腓返りに効く薬   石田郷子
     
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