2019年 <雨水号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第86  
     
  バックオーライバックオーライ木の実落つ 市川英一
 

耳打ちに唇の触れ花芙蓉  

藤井あかり
 

一本の秋薊なら声聞かむ  

柚子谷イネ
 

鳥渡る千の小舟の繋がれて  

田口くるみ
 

先生が素早く数へ秋の鴨  

小林すみれ
  肩に降る多面体なる秋の陽よ   味八木恭子
 

たはぶれに居どころ聞かむ冬隣  

岡みやこ
 

冬隣とはあたたかき水の音  

海津篤子
 

露霜のけふを忘れぬやう歩く  

対中いずみ
 

万華鏡がらりと冬の始まりぬ  

上田りん
  電話鳴る十一月の霧襖   髙橋白崔
 

ゆき交へる人のほとりにゐて小春  

とちおとめ
  どこにでも行つてやろうじやないか冬   立本美知代
 

七五三袴の裾を蹴りながら  

ふけとしこ
  切炭の袋の口や神送り   田草川㓛子
 

宿の下駄宿の傘借り桃青忌  

せいじ
  はらからの心強さやきりたんぽ   黒澤さや
  揚げ一枚大根三切れ朱塗り椀   小椋 螢
 

何となく蜜柑を剝いてゐる二人  

川島 葵
  綿虫とゐても私だけ映る   水原節子
 

冬薔薇忘られぬやう会ひに行く  

近藤千津子
 

むささびを見にゆく人と別れけり  

山下きさ
 

席かへて冬青空と真向ひぬ  

内田こでまり
 

常の日の終りきらりと冬の海  

近藤せきれい
  安らぎのこよなきを水鳥といふ   林田裕章
 

入口に船の模型や冬あたたか  

江口あをね
  榾燃えて両肘椅子と丸太椅子   村上紀子
  煮炊きして硝子くもらす漱石忌   森 典代
  冬灯南天の葉のつややかに   古谷智子
  通帳の利息七円冬木の芽   飯沼瑶子
 

住む人のゐるらし目貼あたらしく  

鈴木しずか
 

ちよん髷のちよび髭にして聖歌隊  

あかね雲
  ガレージを開けクリスマスマーケット   ぱんだ
  魴鮄の鰭を広げてみて買ひぬ   市川薹子
  潮の香をまとひて紛れ年の市   藤井紀子
  樹の末のよく騒ぐ日や飾売   田中遥子
  托鉢の唇動く冬日かな   山月
 

モンブランに立ちし昔や雪の声  

近藤あかね
  引揚の父の写真の冬帽子   真嶋洋三
  本抜けば本寄りかかる煤払   山澤一帰
 

誰言ふとなく大掃除始めけり  

れんげそう
  孤老とはつらき呼び名よ年暮るる   境野大波
 

一人なれば年寄染みた咳してみる  

柴田幾太郎
  くさめして淋しき人となりにけり   福田鬼晶
 

吾が丈とオリーブの木と春を待つ  

田野いなご
 

ぜんざいの餠ぷつくりと初雀  

安藤恭子
  浮石を踏めば冬青空揺らぐ   石田郷子
     
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