2021年 <霜降号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第102

 
     
  梅漬けて健やかに鳴く鳩時計   飯沼瑶子
  眼のやうな小窓がひらき蔦青葉   とちおとめ
  誰の忌ならむ半夏生草咲いて   福田鬼晶
  父の日や分解掃除して壊す   後閑達雄
  親指に雨の響きや六月尽   山月
  水やりの済みし匂ひや茄子の花   黒澤さや
  四ドアの四つが開けば滴れる   水原節子
  花槐遠き昔に妻と会ひ   鷺谷英一郎
  花合歓や影をちぢめて男去り   柚子谷イネ
  とんばうに咬まれてよりの虫嫌ひ   髙橋白崔
  溺れゐる蜘蛛を助くと備忘録   川島 葵
  朝焼や草に一本づつの鬱   小杉健一
  旧友や水羊羹に木々映えて   安藤恭子
  冷房やアンモナイトの棲む柱   藤井紀子
  冷房を切つてテレビの砂嵐   ぱんだ
  半ドンも消えゆくことば冷素麺   山音
  雑魚寝して烏賊釣舟の灯の眩し   山田 澪
  釣り上げて鰓に火の色土用凪   ふけとしこ
  灼くる日に十万人が来るといふ   亀井千代志
  炎天へ出る丹田をひと叩き   田草川㓛子
  二寧坂暑し産寧坂暑し   浜本三晴
 

十五分待つ人生の片陰で  

西田克憲
  石ころを蹴つて夏野と別れたり  

曳地トシ
  凌霄の花だらだらと昼の酒   市川英一
  のうぜんや廊下果てなくのびて夢   味八木恭子
  空蟬や切株の香の新しく   佐藤緑子
  空蟬と古き映画の半券と   上田りん
  捨てられぬ木箱紙箱空蟬も   やぶこうじ
  懐かしき暑さと言へば登校日   白石正人
  受付の猫の薄目や百日紅   立本美知代
  咲き満ちて安穏の日や百日紅   花野日余子
  なんばんの花マスクから鼻の出て   あをね
  小判草踏むと貧乏神来るよ   近藤千津子
  湿つぽい顔だな焼酎にするか   林田裕章
  老いに用あるが嬉しき雲の峰   山下きさ
  連載の切なく終る晩夏かな   井上千恵子
  スワッグをがさりと吊るし晩夏光   藤井あかり
  コチュジャンの赤に眩みし残暑かな   熊谷かりん
  祈りにも似たる朗読広島忌   田口くるみ
  かなかなは哀しと電話切れにけり   小林すみれ
  水きつて笊軽くなる盆仕度  

近藤せきれい
  少年の喉よく乾く墓参り   小椋 螢
  地蔵会やお子たちの皆賢さう   津田ひびき
  借りしまま秋の扇となりにけり   内田創太
  にはか雨サルビアの炎の消えぬまま   山澤一帰
  千人の交響曲や曼珠沙華   棚網 鮎
  瞑りても光の透る蘭の秋   海津篤子
  水槽に日の差す時間小鳥くる   石田郷子
     
     
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