2018年 <雨水号>    
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第80  
     
  秋水を掬ふ両手の睦まじく   上條あきを
 

実石榴のくわつとこよなき日和なる  

田中遥子
  柿吊す瀬戸山風の通る道   山澤一帰
  柿紅葉われは周回遅れなる   亀井千代志
  猪が出るかもしれぬので先頭   水原節子
  面忘れしさうな秋のしぐれかな   市川英一
 

兄弟は多きが良けれ冬に入る  

鷺谷英一郎
  畳畳とおもひの嵩や朴落葉   福田鬼晶
  湯冷めして庭木に雨の音さやか   市川薹子
 

ロケットの冷たき蓋を開きけり  

藤井あかり
  一つづつ駅寒くなる山の丈   田草川㓛子
 

息白し私のはうが先に着く  

近藤千津子
  短日を灯して書庫のよみがへる   小関菜都子
 

短日や玄関で押す認め印  

小椋 螢
  短日や欅の下の臼と杵   立本美知代
  短日のあまりてなどか鳴く羊   川島 葵
 

本堂の畳のへりも冬至かな  

田野いなご
  べつたらを嚙みしめ吾は傘寿なり   境野大波
  その人を長く立たしめ冬欅   武井清子
 

空つぽのシャンパンボトル芙蓉枯る  

田口くるみ
  笹子鳴く観音堂に靴脱いで   海津篤子
 

奉納のバケツがひとつ冬ぬくし  

ふけとしこ
 

土間の靴ひつくり返る十日夜  

山下きさ
 

外套に火の色澄んできたりけり  

対中いずみ
  甲冑の胸の十字架冬深む   安藤恭子
  背広にはポケット七つ冬青空  岡村潤一
 

その中の一羽が回る浮寝鳥  

黒澤さや
 

半ドンの下校の子らや一茶の忌  

白石正人
  肩車ならば任せよ冬の星   林田裕章
  もの言うて心遅るる炭火かな   田中英花
 

梟の目が相談にのると云ふ  

つくし
 

掛時計すこし進みぬ冬籠  

小林すみれ
  花びらのやうに皮むく蜜柑かな   古谷智子
  着膨れて昼を傾眠いたしけり   あかね雲
  石蕗咲けり水平線が消えてゆき   美雨
  神鶏の人になつかず石蕗の花   村上紀子
  黒猫の瞬き二つ枯野道   曳地義治
  眦を決し師走の人となる   柴田幾太郎
 

ななめ掛すれば肩凝る漱石忌  

ぱんだ
 

佗助や天神は火の匂ひして  

柚子谷イネ
  すれ違ふ自転車の風年詰まる   太田玲子
  おほとりの冬日にひらく翼かな   石田郷子
     
     
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