2020年 <霜降号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第96

 
     
  奥利根は夜の濃きこと河鹿笛  

林田裕章
  茫茫と牛蛙てふ風袋  

上田りん
  今年竹雲をくすぐるところまで  

田草川㓛子
  生ビール壁にノーマン・ロックウェル  

今野浮儚
  ポスターのここまで褪せて滝見茶屋   田中英花
  父恋し祭提灯点る頃  

今田裕子
  パンに置く薄き胡瓜や朝怠し   味八木恭子
  レモン切るたびに電話の鳴りにけり   岡村潤一
  我がこころ充たさざるなり銭葵  

立本美知代
  ワイパーが止み六月の街の消ゆ   谷村節子
  紫陽花や母から点滴を外す  

後閑達雄
  雨音に疲れつつぬぐ夏手套  

柚子谷イネ
  でで虫や身ひとつなれど軽からず  

近藤せきれい
  風に置く黴の鞄と明日のこと  

黒澤さや
  ひとつづつ消ゆる夜の音吊しのぶ  

藤井紀子
  靴紐を替へ夏山を登りたき  

小林すみれ
  さよならを云はなかつたね百合の花  

近藤千津子
  白丁のやや遅れゆく賀茂祭  

かぐら
  奉納の菰樽夕立しぶきけり  

ふけとしこ
  朝曇ベル鳴つて人動き出す  

田中遥子
  全人類マスクしてゐる朝曇   白石正人
  夾竹桃音なき昼を怖れたる  

佐々木葉津
  なんばんの花ざわざわと雨兆す   星野梨子
  南蛮の花自販機よりevian   福田鬼晶
  国道をゆきて鯵干す店ばかり   亀井千代志
  まなかひに父の新聞葛饅頭  

あをね
  家古りて人の古りたる網戸かな  

山下きさ
  蟬しぐれ明るいうちの夕御飯   小島柚子
  なぜかなつかし大阪の蟬しぐれ   飯沼瑶子
  速報のつぎつぎ古び蟬時雨  

藤井あかり
  カレンダー七つ捲りて夏深し  

佐々木ヒロシ
  帰省子も呼ばれ男手揃ひけり   小椋 螢
  引く波にふと引かれたき夏の果   山澤一帰
  墨東は父の故郷震災忌   花野日余子
  泣きながら桃齧るその美きこと  

内田こでまり
  白桃のざらりひやりと剝かれけり  

安藤恭子
  がめの葉の饅頭を蒸す魂迎へ   かたしま真実
  ぬばたまの伏字の並ぶ八月来   髙橋白崔
  根が鉢を割り八月の零れ出す   西田克憲
  立秋や湯呑茶碗の置きどころ   市川英一
  朝顔の色絞られて了りたる   古谷智子
  新涼やドアを開ければ兄夫婦   あかね雲
  かなかなとこたへて雨の職場かな  

ぱんだ
  カンナに青き実独身寮しづか  

市川薹子
  椅子ひとつ置いてありけり鳴子縄   山田 澪
  鬼の子をさがしに出でて鳴かれけり  

海津篤子
  台風一過なれど仰げば雲厚し   境野大波
  群れ咲くは俑のごとしや曼珠沙華  

石田郷子
     
     
     
     
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