2021年 <小寒号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第97

 
     
  光芒と為るべく鹿の立ちあがる   林田裕章
  樫ぐねの向かうは秋を急ぐらし  

黒澤さや
  鬼灯のとみに染みたる今朝の色  

佐々木ヒロシ
  水際にひろふ杉の実送り盆  

田口くるみ
  電線を駆けて来る栗鼠野分晴れ   小椋 螢
  昨日から脚立の置かれ秋の水  

ふけとしこ
  霧しぐれ白樫の木で別れけり  

柚子谷イネ
  秋日傘問ひてよいかと問ひにけり  

藤井あかり
  白露やこの世の飯を頰ばりて  

棚網かける
  古酒酌めば鈴蘭燈の点るころ   白石正人
  金木犀家路は夜の灯に濡れて   藤井紀子
  栃の実は火宅を打ちて静まりぬ  

内田こでまり
  灯のつくる薄暗がりや木の実落つ  

あをね
  うつうつといただく空や八重木槿  

亀井千代志
  露葎どこで笑うてどこで泣く   棚網 鮎
  墨東の雨に烟りし芭蕉かな  

市川英一
  遠くまで行きたし行けず草の花   田中遥子
  切々と晴れて白花曼珠沙華  

とちおとめ
  広げたる枝の気ままも萩らしく  

小和楽
  秋草やテーブルの影椅子の影  

せいじ
  秋薔薇の一輪のあるテレワーク   瀬名杏香
  いく度もあがる二階や蓼の花  

山下きさ
  無花果のあれば古びし窓もある   小関菜都子
  長き夜の何せむと来し厨かな   村上紀子
 

魦煮の灯のもれてゐる秋すだれ  

山田 澪
  かの森のかの榧の木の良夜かな   海津篤子
  箸は浮きフォークは沈む居待月  

後閑達雄
  木槿掃く宅配便を受けに出て  

ぱんだ
  いつだつて今日の愉しみ小鳥来る  

小林すみれ
  楽しくすごさむや紫蘇の実もしごき   飯沼瑶子
  青空は今日の思ひ出芋を剝く   安藤恭子
  秋の虹赤子のやうなおかあさん   水原節子
  秋簾母の居ねむり正座して   市川薹子
  この年は旅に出でざり郁子熟るる   福田鬼晶
  疫病は神かもしれず初嵐   山音
  百舌鳥鳴けば少年の日の地平線  

坂口はじめ
  奔馬像芝生に秋の影を曳く   岡山晴彦
  チェロの音もフォルクローレもなく蜻蛉  太田玲子
  種採の吹き残りたる両手かな  

田草川㓛子
  芒原大きく揺れて不意に人   真嶋洋三
  白き手に割れたる暖簾秋しぐれ   西田克憲
  ましら酒指からふつと眠くなる   山澤一帰
  鈴虫や三面鏡に顔いくつ   味八木恭子
  雨脚や鶏どちも火恋しからん   髙橋白崔
  ぐい呑みの棚に百個や暮の秋  

曳地トシ
  荒縄に日のたつぷりと冬支度   立本美知代
  神発てる朝の木々の影倒れ   

境野大波
  秋江や火の匂ひして人のゐる   石田郷子
     
     
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