2019年 <寒露号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第90  
     
  校庭の大にはたづみ七月来   田中遥子
  いつだつて己を信じ花菖蒲   近藤千津子
  追伸のやうな一雨梅雨の明け   山澤一帰
  緑蔭を出づるは旅に発つやうな   福田鬼晶
  軽鳬の子の七つの水脈を引きにけり   小椋 螢
  人去りてガーベラふいに回りけり   味八木恭子
 

帰る日を何処に帰るのだろう夏  

水原節子
  空瓶の十円だつた頃の夏   後閑達雄
  虫の翅玲瓏なるを蟻担ぐ   吉田信雄
  焼豚の凧糸きつく巴里祭   髙橋白崔
  はじめての街の夜店も懐かしく   安藤恭子
 

蚊遣火や碁石きれいに磨き上げ  

ふけとしこ
  入船の大きな波や夏さかん   山田 澪
 

百合さつとよけて男の入り来り  

柚子谷イネ
  洗ひては又使ふ手や茗荷の子   田草川㓛子
 

恙無き暮しと思ふ紫蘇畑  

黒澤さや
 

冷し酒螺鈿の月のきらきらす  

対中いずみ
 

片足を立てて降ろして三尺寝

田口くるみ
 

全身を開きて眠る土用かな  

しおののり子
  人の皮脱いで行水してをりぬ   川島 葵
  蟬の声遠し太陽かく近し   林田裕章
 

目瞑れば耳冴えて蟬落ちる音  

ザジ
 

百日紅傷が傷跡になりゆく  

藤井あかり
  かき氷決心がついたら動く   棚網 鮎
  逃げ水の先にゐるかも知れぬひと   浜本三晴
  図書館にけふもこもりぬ青胡桃   飯沼瑶子
  夏潮の砕け定年迎へたる   岡村潤一
  ドア閉めてそののち寂し夏の暮   田中英花
  楽屋への扉重たく晩夏光   中西 碧
  田草取る人のすらりと立ちにけり   亀井千代志
  鞍の上の人をまぶしく夏負けて   藤井紀子
  蜘蛛走る音して夜の廊下かな   村上典美
 

見おろせば水かがやきぬ今朝の秋  

森 木聖
  盛り上がるとき透きとほる秋の水   山月
  街に出で何にふりむく残暑かな   市川英一
 

七夕や川に何かを洗ふ人  

上田りん
  商ひの煮物を鉢に星祭   立本美知代
  木に寄れば木の声もまた露けしや   海津篤子
 

初盆や雨風の他誰も来ず  

高橋すすむ
 

二人して一つ灯籠ながしけり  

佐々木ヒロシ
  瀬の音の何処へ消ゆる魂祭   曳地義治
 

ひとつづつ鄙に木霊や盆花火  

曳地トシ
 

腕時計だらりとはめて八月よ  

内田こでまり
 

鰯雲君に流されるも良しか  

れんげそう
  初風の過ぎゆく母と子の墓標   境野大波
  たけなはの秋の祭を背にす   石田郷子
     
     
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