2020年 <雨水号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第92  
     
  秋の雨烈し映画の中よりも 

藤井あかり
  雨つぶのまばゆき萩の名残かな   立本美知代
  後れ蚊に刺され一番乗りらしく  

田口くるみ
  お望みとあらば滾らすなめこ汁  

浜本三晴
  芋の煮つころがし二つ目は泪   水原節子
  秋ともしペン走らせて真顔なる  

佐々木ヒロシ
  振り返るまでもなき日々秋収め   近藤千津子
  風狂は顔を拭はず秋時雨   森 木聖
  鳥渡るジーンズは腰骨で履く   田中遥子
  赤蜻蛉うすうすと戦の気配   亀井千代志
  花野ともはや冬ざれの景色とも  

近藤せきれい
  母呼ぶにくちびるの要る蓑虫よ   瀬名杏香
  冬来るまちの行事に参加して   花野日余子
  海鳥の白のまぶしき七五三   山田 澪
  便箋のブルーブラック風鶴忌 田草川㓛子
  格子戸へ三段ほどや一葉忌  

山下きさ
  鉄扉とは押せど動かず十二月    あかね雲
  座蒲団の柄がまちまち大根焚   小椋 螢
  この道を通れと冬の烏瓜  

ふけとしこ
  いつもこの坂で会ふ人冬の菊  

対中いずみ
  言ひ逃れできない冬菊のほとり   髙橋白崔
  わすれ水雲をうつして冬田かな   小杉健一
  散策や今年もここに冬苺   佐藤緑子
  晩鐘に発つこんな冬鷗   安藤恭子
  鶏頭の枯れの中よりルドンの目   海津篤子
  恋多き人もとある日マスクして   佐々木葉津
  お父さん私よと言ふマスクかな   宇野 徳
  その音の中を帰りぬ冬の雨  

黒澤さや
  次の声なくて梟とは云へず   小関菜都子
  人間が円くなつたぞ冬帽子   林田裕章
  遠火事や座りなほして呑む地酒  

市川薹子
  火の番のまこと痩躯でありにけり  

小林すみれ
  野の枯れてはせをの夢を拾ひたし   白石正人
  枯木まで助走日暮れまで疾走  

市川英一
  冬薔薇深き色より暮れにけり  

岡村潤一
  階は誰が歩幅なる冬桜  

上田りん
  鐘楼の下は海原雪ばんば   藤井紀子
  古傘の開くに粘り漱石忌   西田克憲
  夜の樟や静けさといふ冬の音  

つくし
  落葉降りをり団欒といふをふと   福田鬼晶
  茶の花の開き放題まだ泣ける  

棚網 鮎
  白鳥の胸ふくらかに水ひらく   味八木恭子
  亡きひとの誕生日にて寒の入   境野大波
  枯山へエンジンの吹き上りたる   石田郷子
     
     
     
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