2021年 <白露号>     
                   
toumei home soukan-no-ji daihyou10ku anthorogy namikimichi musashino kukaino-oshirase nyuukai-annai mukuno-shoka link
line

  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第101

 
     
  つばくらめ君が運転席にゐる   水原節子
  二人居て独り言あり春の暮   安藤恭子
  うそ言へば鼻のふくらむ花粉症  

鈴木しずか
  戦争を知らぬ老人豆の花   市川英一
  鶏鳴や銀杏の花の降りしきり  

黒澤さや
  こんなことさへもリハビリ田螺飼ふ   立本美知代
  肘ついてつつじの傷みゆく日々を   味八木恭子
  PCをパタンと閉ぢて夏に入る  

矢崎めぐみ
  薫風や清記用紙のなつかしく   宇田川指月
  近眼の瞳きらきら余花の雨  

後閑達雄
  届きたる篤き手紙や花は葉に  

小林すみれ
  遮断機の上がれば眩し夕薄暑  

棚網かける
  酒林茶色にあせて燕の子   森 木聖
  段ボール畳む卯の花腐しかな   近藤千津子
  オリーブの花ほろと散る卯月かな  

津田ひびき
  麦星や川から上がるヌートリア  

居樹こりす
  里山は三段跳のごと緑  

佐々木ヒロシ
  人類に危機といふもの竹落葉   亀井千代志
  十薬や母をらぬ家を井戸じまひ  

ぱんだ
  嫂のよそふ筍ごはんかな   白石正人
  豆飯の匂ふ花柄炊飯器   小椋 螢
  実梅採るひな曇てふたまはりて  

とちおとめ
  枇杷甘し叶はざる夢捨ててより   髙橋白崔
  雨雲は力をためて栗の花   林田裕章
  あぢさゐをすこし離れて朝の声  

柚子谷イネ
  紫陽花やひとりのときにひらく本  

岡村潤一
  階にすれ違ふ傘額の花  

あをね
  花図鑑黴の匂ひの懐しく  

くろすようこ
  むかしむかし蹴りし石かもかたつむり  

ふけとしこ
  下りてきて蜘蛛太陽に重なりぬ   内田創太
  ジープの止まるすずらんの青い実に   飯沼瑤子
  風前の聖火蜥蜴は薄目して   浜本三晴
  用事なき有給休暇蘆茂る   小関菜都子
  絹の服褒められてゐる滝の前  

棚網 鮎
  白シャツに去年の我の若さあり   山月
  新しく帽子を買へば風青し   川島 葵
  腕組みを解いて田植の終はりけり   海津篤子
  飯櫃に湯気をうつせる朝曇   田草川㓛子
  朝曇忘れられたる傘ぽつん  

本郷あきら
  歳月に舌あらばこの古簾   村上紀子
  麻暖簾ぞろりと顔を撫でにけり  

柴田幾太郎
  首振らぬ甘味処の扇風機  

山下きさ
  風鈴を夢の出口に吊りくるる  

西田克憲
  いつまでも旅の途中の夕焼空  

山音
  真清水に最期の顔を映しけり  

藤井あかり
  滑落はせじ筒鳥のこゑぽぽと   石田郷子
     
     
     
※Page Top   ※Back Number

line
Copyright(C) 椋俳句会 All rights reserved. 当ホームページに掲載の文章・画像などを無断で転載・再配布することはお断りします。