2017年 <秋分号>  
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第77  
     
  いそがしく五風十雨のつばくらめ   白石正人
 

茶畑や物日過ぎたる雉子のこゑ  

高田由梨
  年寄に椅子置いてある藤のころ   田中英花
  藤棚がみえ花房の見えてきし   小椋 螢
  藤棚の下に碁盤の打ち喧嘩   田草川㓛子
  緑さす盤置かれ駒揃へられ   岡村潤一
 

維新三傑土塀を越える夏みかん  

周防加奈
  ポケットにコインが一つ更衣   山澤一帰
  電線の高きに鳥や更衣   立本美知代
  鎖骨より夕づくことも更衣   西田克憲
  青芝に投げ出す足の向かう側   近藤千津子
  軒しづく大きく早く若楓   佐藤緑子
  葉桜の下に我あり我なるか   福田鬼晶
  緑蔭に会ひ珈琲で乾杯す   川島 葵
  雨風のはげし芍薬いたましき   蓬子
  竹皮を脱ぐそそくさとそそくさと   田野いなご
  旅なれば男やさしき桐の花   海津篤子
 

しめりたる時計の音と額の花  

近藤せきれい
  あぢさゐに夕餉の灯りこぼれけり   境野大波
 

天鵞絨のやうなまなざし袋角  

田口くるみ
 

海に入る平らな水や夾竹桃  

対中いずみ
 

バス来ると涼しき声に呼ばれけり  

内田こでまり
  茶畑のひとに手を振る夏の旅   山田 澪
 

みんな手をふつてくれたる梅若葉  

亀井千代志
 

一節の日坂馬子唄夏つばめ  

ふけとしこ
  機関車は光る若葉の傷むほど   林田裕章
  滴りといふ聖水を額に受け   森 木精
 

夏山の襞より幽く傘の襞  

藤井あかり
  とんばうの生まれたる日の腕まくり   髙橋白崔
 

ががんぼのべつかふ色の羽音かな  

曳地トシ
 

小円の中自在なり水馬  

あきを
  ある時は鋼のごとし蜘蛛の糸   山月
 

何よりも今が大切蟻の列  

野いちご
  跫音にすべり出したる青大将   真鍋千枝子
 

二人分毎朝穫れて莢豌豆  

西村みすず
 

泣き声の抱かれてゆきぬ花ざくろ  

上田りん
 

白辛樹のたましひ抜けて旧端午  

江口あをね
 

八畳に寝かされてゐる水中り  

山下きさ
 

自問していつまでが予後朝ぐもり  

とちおとめ
  夏帽を目深に心弱りかな   村上紀子
 

取り返したきもの夏の川渡り  

黒澤さや
  白玉や母の遺品のいと少な   武井清子
  薬飲む水を貰ひて夏料理   後閑達雄
 

釣堀や受付と云ふ椅子一つ  

藤井紀子
 

石橋の照り返したる百日紅  

安藤恭子
 

ともすれば負けさうになる草むしり  

あさぎ
 

草を刈るきれいな強い草を刈る  

ザジ
 

朝々の草引くみんな顔見知り  

石田郷子
     
     
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