2018年 <小暑号>    
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第82  
     
  北窓を開け聞きもらす母のこゑ   市川薹子
  まんさくを光源として歩くなり   山音
  野に洗ふ弁当箱や鳥曇   川島 葵
  東京の人の満ち干や鳥帰る   田草川㓛子
 

薄氷つついて猫に嗅がす指  

ふけとしこ
 

白梅のつぶての如く谷に咲く  

棚網かける
 

梅祭行灯の絵の楽しけれ  

近藤あかね
 

かんむりも烏帽子も春の影曳いて  

市川英一
 

ひな様も母さまの目も切れ長で  

矢崎めぐみ
  三人官女吾も立つたり坐つたり   水原節子
  憂きこともあらむと雛の髪を梳く   長岡ルリ子
 

独身の娘が二人桃の花  

あさぎ
 

天日のふくらかなりし桃の花  

小林すみれ
 

野遊の何処かできつと日の差して  

黒澤さや
 

野遊びのやうに野球の女の子  

林田裕章
 

踏青や袖ふる君のをらざるも  

福田鬼晶
  芹を摘む湧き水ゆたかなる津軽   鎌田美正子
  芽柳やエミューに小さき翼あと   田中遥子
  腰入れて捨てきれぬ畑打ち始む   松田康子
 

畑の土均しをる鍬花薺  

江口あをね
 

けん玉の乾きたる音地虫出づ  

岡村潤一
  知らぬ間に店子の蟇の出づるなり   真鍋千枝子
 

鉢といふ鉢の伏せられあたたかし  

あかね雲
  落椿ばけつ一杯拾はんか   美雨
  荒れながら整うてゆく彼岸かな   村上紀子
 

茎立ちやバスの素通りする時間  

岡みやこ
 

茎立ちて退院の吾を待ちし庭  

橘川昭世
 

発電所前の菜の花盛りかな  

境野大波
 

言ひ返す前に涙が豆の花  

ぱんだ
  相輪をつらぬく塔や花吹雪   岡山晴彦
  あかあかと蕊残りたる落花かな   小椋 螢
 

桜蕊降れば泪をふく男  

佐々木ヒロシ
 

雨あとのごと桜湯の花残る  

藤井あかり
  春雷や紅さし指が目をそつと   藤井紀子
  抱一に描かせてみたき花馬酔木   白石正人
 

はじまりの太鼓つばらに春祭  

山下きさ
  その中に研屋ののぼり春まつり   森 典代
  全国のつつじケ丘の蜂起せり   石田太郎
  草朧君の足音若々し   棚網 鮎
 

庭に来る鹿にも降りぬ花かんば  

海津篤子
 

掌に白樺の花なまなまし  

内田こでまり
 

亀鳴けばコーヒー豆の挽きあがる  

森 木聖
 

春深きテラスに野鳥図鑑かな  

立本美知代
 

掘り出して石濡れてゐる暮春かな  

柚子谷イネ
 

緑さすごちそうさまといふ声に  

安藤恭子
 

夏めくやアイロン持てば白い雲

近藤せきれい
 

鳥影は魚より迅し若楓  

対中いずみ
 

金柑の花の匂ひに退院す  

田野いなご
 

夏近し真うしろの木がはばたけば  

石田郷子
     
     
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