2017年 <立冬号>  
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第78  
     
  いつまでもきみ草笛の詩人たれ   林田裕章
  ティーシャツに臍の窪みや水遊び   川島 葵
  そこに立つ胡桃も炎ゆる木でありぬ   海津篤子
  炎ゆる日の触れてつめたき母の指   田口くるみ
  雑踏の下を船ゆく夏まつり   藤井紀子
  差してある匙の冷たきかき氷   小椋 螢
 

梅漬のふつくらとふるまはれけり  

柚子谷イネ
  父に買ふ水羊羹の詰め合せ   亀井千代志
  扇風機皆に好かれる人である   山月
 

襖絵の松の根方に昼寝かな  

上田りん
 

胸の手をきれいに組んで昼寝の子  

対中いずみ
 

三味線を復習つてをりぬ竹煮草  

山下きさ
 

一灯の涼しき句座につきにけり  

田草川㓛子
 

窓あらば開けむ短夜なら話さむ  

ぱんだ
  竿拭けば日のきざしたるパリー祭   古宮ひろ子
  三光鳥鳴いて時計の合はせ方   水原節子
  夏座敷一人が風を云へば皆   小関菜都子
  ぽつかりと暖炉の口や夏館   安藤恭子
 

踊場の西日いちばん激しかり  

あさぎ
 

蟬時雨けむりのやうに振りかぶり  

谷村ユキ
 

階に交じる走り根蟬時雨  

藤井あかり
 

山住みに生簀が一つ雷きざす  

とちおとめ
  沙羅咲いてこよなく庭を愛しをり   西田邦一
 

目瞑れば時を失ふ合歓の花  

黒澤さや
  雨だれのながく短く鉄線花   市川英一
 

立葵眩しき貌で立ちにけり  

内田こでまり
  枇杷の実の下に自転車習ふ人   吉田信雄
 

椅子ふたつあれば愉快に青胡桃  

岡みやこ
  合歓は実に電車は速度落としたる   立本美知代
  坂道を下りるが怖き夏薊   境野大波
 

道消えて夏草刃光らせる  

ザジ
  夜は千の眼を持つ烏瓜の花   髙橋白崔
 

向日葵や火傷しさうなすべり台  

田中英花
  ひまはりの列へ電車ののこり風   市川薹子
  わたくしと何処にも行けぬ風鈴と   今野浮儚
 

メロン切りその谷間の冥きこと  

江口あをね
 

また今日も夏川を去る別れかな  

棚網かける
  はつとして咲きたる色か露草は   武井清子
  朝顔やラップの端をぴんと張る   岡村潤一
 

汲み置きし水の翳りや白木槿  

近藤せきれい
  実家とは是ちやぶ台の大西瓜   西田克憲
  かなかなや臍の中まで夕日差し   福田鬼晶
  蜩の鳴く日手紙を束ねけり   岡山晴彦
  爽やかに献体希望問はれけり   山澤一帰
  天の川大きな攩網が軒下に   森 典代
 

踊子に寄りて業平作りかな  

小林すみれ
 

秋すでに海溝に大具足虫  

ふけとしこ
 

流れくる芥を通す秋の風  

田野いなご
  漣のたうたうとして天高し   花野日余子
  あきつ飛び立ちて背筋の伸びる草   近藤千津子
  秋蟬の鳴くこれでもかこれでもか   石田郷子
     
   
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