2021年 <清明号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
 

otiba「椋」第99

 
     
  冬空を切つたり鳥といふ無音   林田裕章
  富士山の見えしけふから年用意  

近藤千津子
  海平ら御用納めの日なりけり   西田邦一
  白髪の妻のシニヨンクリスマス  

津田ひびき
  黒髪のクリップ直す暦売   小杉健一
  スクロールすれば夕暮れ冬籠   岡村潤一
  母曰く御国の命で冬籠  

上田りん
  夢想家で一生過ごす楡落葉  

岡山晴彦
  獣道細りて消えて山眠る   山澤一帰
  還暦も男盛りや初鏡  

森 木聖
  饅頭の湯気もうもうと初薬師   髙橋白崔
  よく食べて飲んでマスクの紐のびる   水原節子
  手袋の拳を握る負けは負け  

ぱんだ
  寒いから寒いから汝抱きしめる   後閑達雄
  雪催ひ大きな疵のからす瓜   かたしま真実
  梅早し日曜のしづけさに似て   山音
  尾がふたつ並んで垂れて冬日和  

ふけとしこ
  並走の列車に春の来たりけり   川島 葵
  ソムリエに襟章ふたつ春兆す  

田口くるみ
  二ン月の列島にある裏表   中野晴代
  朝から雨ふる音も春らしく  

とちおとめ
  魚は氷にわれは手摺に身をまかせ  

田中遥子
  さと並べ遅き夕餉や春炬燵  

小林すみれ
  中年の子に青饅の酢をきかせ  

山下きさ
  風に鳴る障子に一人雛の間   安藤恭子
  菱餠や風に鳴りゐる背戸の藪  

藤井紀子
  QRコードの四隅目借時   宇田川指月
  アルバムのなかの団欒亀鳴けり   白石正人
  麦踏や余所の子どもに慕はれて   立本美知代
  会へる日の段々近く百千鳥  

黒澤さや
  その中の一羽が鳴けり春夕べ   市川薹子
  白梅のうらへ夕日のまはりけり  

熊谷かりん
  紅梅やめがねの曇つてもひとり   市川英一
  命中の矢の射るごとし落椿   田草川㓛子
  うべなひて無為にゐること椿落つ  

鈴木しずか
  山茱萸の咲く東京に戻りけり  

柚子谷イネ
  君が居た日々まぶしかり花ミモザ  

岡みやこ
  杖つけば土のこたふる猫柳   福田鬼晶
  楤の芽や音立てながる尾根の雲   小椋 螢
  球場に万の空席春寒し  

近藤せきれい
  ゆるゆると人の出てゐる苗木市   海津篤子
  汝の息に輝いてゐる風車   内田創太
  ふらここを止めてはじまる紙芝居   古宮ひろ子
  ベレー帽春を楽しくしてくれる   佐々木葉津
  行き先を告げずに来たる春野かな  

居樹こりす
  唇も言葉も荒るる春北風  

藤井あかり
  要介護Ⅰと告げられ春苺  

境野大波
  ゆきあひの猫にいふ水温むこと   石田郷子
     
     
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