2019年 <小暑号>     
                   
toumei home soukan-no-ji daihyou10ku anthorogy namikimichi musashino kukaino-oshirase nyuukai-annai mukuno-shoka link
line

  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第88  
     
 

大鷲の見てをつたかと羽畳む  

宇田川指月
  ファスナーのすべりよろしき梅の頃  山下きさ
 

梅林や無言電話のごと静か  

藤井あかり
  さらさらと葉蘭に雪やお白酒   藤井紀子
  忘れ物取りにきのふへ蜷の道   西田克憲
 

蜷の道森へ入るにもう日暮  

とちおとめ
  蜷の道シルクロードのはるけさの   川島 葵
  春寒料峭にて大幅なる遅刻   田中遥子
  ふきのたうの天ぷら辞めたつていい覚悟 水原節子
 

さきほどの音とも違ふ種袋  

柚子谷イネ
 

戸はすぐに閉めて下さい猫の恋  

くろすようこ
  風車吹くひと色となるふたり   白石正人
  風光る群衆捌く信号機   花野日余子
  草餠や男のやうな嚏して   久嶋寿々子
  ちちははの写真少なし蓬餠   髙橋白崔
  カーテンをきれいに束ね黄水仙   青嶺
  アネモネや父の書棚に戦記物   海津篤子
  スーパーの浅蜊けだるく水を吐く   飯沼瑶子
 

イグアナをまたぐハコガメ春の昼  

対中いずみ
  春の雲ムーミン谷へぞくぞくと   山月
  帽子は黄靴は色々卒園す   吉田信雄
  海棠の大きな花のほか蕾   市川薹子
  姫榊の咲きてふつふつ胸騒ぎ   棚網 鮎
 

春雷のあと小刀のやうな月  

鈴木しずか
 

桜三分へ花嫁が手を伸ばす  

ふけとしこ
 

母もまた無名俳人初ざくら  

後閑達雄
  山巓に昼の月置くさくら狩   あかね雲
 

句碑の文字かろく撥ねたる桜どき  

曳地トシ
  デザートを待ちつつ花の宿ならむ   亀井千代志
  灯の尽きたるさくら震へをり   安藤恭子
  菜の花や玉子サンドにしづむ指   村上紀子
  花片の生々流転一詩人   田草川㓛子
 

サイフォンに余す珈琲花の冷  

ぱんだ
 

ひとつ散り全き花となりにけり  

山音
 

日曜の校庭に敷く花筵  

上田りん
 

花筵畳めば草の起き上がる  

小椋 螢
 

花散るや此処は誰かの夢の中  

近藤千津子
 

飛花落花なべてすばやき魚影かな  

小林すみれ
  明け方の月まどかなる穀雨かな   立本美知代
  豆の花干し物なべて子供のもの   清水冬芽
  手応へのよき音に初わらびかな   緑子
  一隅に生きて一隅耕せる   林田裕章
 

蟻穴を出て号外の人の渦  

黒澤さや
  夢を見ぬことの久しく四月尽   境野大波
  放課後の廊下は長し夏始   せいじ
  死者のこゑ満ちゆく蕨折りにけり   石田郷子
     
※Page Top   ※Back Number

line
Copyright(C) 椋俳句会 All rights reserved. 当ホームページに掲載の文章・画像などを無断で転載・再配布することはお断りします。