2022年 <立夏号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

  otiba「椋」第105  
     
  ささやかな嵩となりたる賀状かな  

川島 葵
  封切らぬ歌留多残して嫁ぎけり   西田邦一
  出払つて机仕事の七日かな  

田草川㓛子
  野に摘みし頃想ひつつ七日粥  

上條あきを
  娘の炊きし七草粥のふつくらと  

つくし
  背より鶏に鳴かるる女正月   海津篤子
  潮焼の顔の集まるどんどかな   山田 澪
  扉を押せば霰の音や通院日  

近藤英子
  打たれたるごとくに頰の凍つるなり  

藤井あかり
  霜夜とは窓に落書き許さるる   翠々
  拭き終へし玻璃より北風のよく見ゆる  

渡辺はな
  冬眠の万の寝息を歩きけり   福田鬼晶
  鯖鮨を時雨宿りに買ひにけり  

ふけとしこ
  猫出でしかたちと思ふ毛布かな  

小関菜都子
  予定なし蜜柑どこまでもころがれり  

近藤せきれい
  悴んで昨日のままの己かな  

上田りん
  山眠るポットの紅茶まだ熱く  

ぱんだ
  裏庭に陽の廻りたる嚔かな   市川英一
  日向ぼこ輪ゴム鉄砲の的にされ   佐藤緑子
  椅子引いて巫女のくしやみの艶やかに   市川薹子
  冬麗や山葵田に水ひびき入り  

とちおとめ
  雪晴のこだまのなかに立ちにけり   林田裕章
  新雪踏み幼心を寿ぎぬ   平野 照
  鍵盤の手の老いにけり雪が降る   藤井紀子
  持ち帰る筋肉痛や雪卸し  

柴田幾太郎
  葉牡丹の渦に攫はれさうな子よ   田中遥子
  探梅の行く手行く手の昼の月  

内田創太
  逃亡も隠蔽もせぬ枯芭蕉   近藤千津子
  ひとりの夜撫でて兎を平たくす   西田克憲
  灯冴ゆる術後の白き人が母  

茶円りゅい
  身ほとりに音なき時計日脚伸ぶ  

小椋 螢
  ラジオよりあたたかきこゑ寒四郎  

あをね
  折り紙で遊ぶ婦人部春きざす   北條久子
  初音してテラスに開く図鑑かな  

立本美知代
  ゆふぐれの白梅ひとつづつ消ゆる  

安藤恭子
  梅林に商ひの灯のともりけり  

柚子谷イネ
  公園の長たるこども寒き春  

熊谷かりん
  立て札に太き矢印節分草   黒澤さや
  階上の子が駆け回る朝寝かな   森 木声
  だれも来ぬ玄関へ雛飾りけり  

佐々木ヒロシ
  代役を頼みし人も春の風邪  

山下きさ
  秒針はわづかに戻る牡丹雪  

味八木恭子
  貧者には愛のみ残り雪解川   白石正人
  保育器の君はまだ神ヒヤシンス  

宇田川指月
  肩を抱くやうに引き寄せ猫柳   髙橋白崔
  雲中に輪をほどく日や田螺鳴く  

上野ぽん太
  金縷梅に顔集まつて来たりけり   石田郷子
     
     
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