2017年 <夏至号>  
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第76  
     
 

万世のうららかなりし相聞歌  

小林すみれ
 

涅槃会のおん足もとに坐りけり

田野いなご
 

蜂蜜の折り重なりて春の朝  

宇田川指月
 

珈琲に身ぬちも雪解してきたり  

藤井あかり
 

さざなみの上へ上へと水の春  

佐々木ヒロシ
 

憂きことのあり左様かと水の春  

棚網 鮎
  みつつ鳴きひとつ綺麗な初音かな   太田玲子
 

からつぽの耳にとびこむ初音かな  

村上典美
  則天去私則天去私と囀れる   福田鬼晶
  樹も草も夕暮ちかし初燕   小林木造
 

梅咲いて鳥が手水の水浴びに  

山田 澪
 

紅梅や凜として処選ばず  

野いちご
  目の前の大きなお尻潮干狩   後閑達雄
  花紙を濡らして透ける桜貝   多摩三郎
 

三月の星の匂ひの残る朝  

岡みやこ
  風鐸のすずろに鳴りぬ雛の寺   田中遥子
 

古雛紅引くことも忘れけり  

くろすようこ
  打掛に鶴の刺繍や雛飾る   清水冬芽
  野焼せる音と日暮れてゆく母と   田中英花
 

月朧音楽室に人満ちて  

対中いずみ
  霞より戻りし靴を脱ぎにけり   田草川㓛子
  扁額の至誠一貫初桜   吉田信雄
 

曇天に打重なりし花の枝  

江口あをね
 

橋ひとつ向かうの桜明りかな  

境野大波
 

かたはらにゐて欲しき夜の桜かな  

山月
  あたらしき畝立ち上がる落花かな   小椋 螢
  花の雨使ひ古りたる傘に受く   上田りん
 

朝露のティアラ杉菜を輝かす  

つくし
  すかんぽと言へばよき風来たりけり   海津篤子
 

耳菜草汝が厳しさのまだ足らず  

柚子谷イネ
  蓬摘む癒えてときをり笑む人と   林田裕章
 

貝塚につくしとあそぶ夕日かな  

とちおとめ
 

にはとこの花やひと日を大揺れに  

立本美知代
 

山吹や大きく伸ばすピザの生地  

近藤せきれい
  じわじわと靴ぬれてくる竹の秋   市川薹子
 

土佐みづき雨の家居を灯しけり  

内田こでまり
  花蘇芳好きなところに好きに咲く   太田朋子
 

雑貨屋に吊らるる薬缶ももの花  

谷村ユキ
 

柃のびつしりと咲き曇りがち  

白石正人
 

吊虻の向かう耳打ちしてゐたる  

髙橋白崔
 

敷紙に散れる芥子粒蝶の昼  

ふけとしこ
  つり革のくつきりとして春眠し   水原節子
  待たされてゐたる春コートの足よ   小関菜都子
  癒えゆくはかく力充つ穀雨かな   村上紀子
  対岸もしづかなる昼花菜雨   井上千恵子
  赤々と日を沈めたる暮春かな   安藤恭子
 

行く春の雨続きなる二三日  

近藤あかね
  石なのか亀なのかいま鳴きたるは   亀井千代志
 

ひと粒で止みたる雨や仏生会  

川島 葵
 

野遊びや帰りは鳥を聞き做して  

黒澤さや
 

野遊びのポケットの手を出しなさい

石田郷子
     
     
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