2022年 <大雪号>     
                   
toumei home soukan-no-ji daihyou10ku anthorogy namikimichi musashino kukaino-oshirase nyuukai-annai mukuno-shoka link
line

  anthorogy 石田郷子選

  otiba「椋」第109  
     
  裏窓は夢を見る窓小鳥来る   海津篤子
  風入れて九月の朝のラムネ色  

渡辺はな
  鷹渡るらし仁王門裏手より  

内田こでまり
  逆光の水平線へ帰燕かな   寿美子
  鳥渡るポストに文は無いけれど   翠々
  本棚に本の抜け殻秋ほたる  

ゆうた
  かなかなや軒下へ日の深く差し  

こさみみさこ
  傘内に耳澄まし聴く草ひばり   佐藤緑子
  揺れ歩く蟷螂に道ゆづりけり  

田草川㓛子
  置き配に鎌ふりあげていぼむしり  

鈴木しずか
  萩の風かほのやさしくなりゆける  

立本美知代
  戦禍あり太陽があり秋の蜂  

ふけとしこ
  秋の蝶尾状突起の涙めく   宇田川指月
  空缶にどちらさまかと鯊の棲む  

安野つかさ
  揺れやまず二百十日のフライトの   小杉健一
  本売れば本棚のこる震災忌   小椋 螢
  小流れと云へど激流実紫  

江口あをね
  つくりたる独りの時間蓼の花  

藤井あかり
  畑中のここも参道蕎麦の花  

とちおとめ
  風音の変はり稲穂の花こぼす   松田康子
  みそ萩やをとめのやうなこゑの人  

田口くるみ
  歌ひたる咽燦燦とカンナの黄   味八木恭子
  遥かなる海の明るさ雌刈萱   市川薹子
  大き葉の雨に落ちたり花オクラ   黒澤さや
  心臓の色かもしれぬ秋海棠   近藤千津子
  遠景にモンサンミシェル案山子立つ  

近藤英子
  稲扱の一部始終が黄金色  

上田りん
  鍔あげて眩しきは青棗の実   井上由紀子
  芋の秋けふ自転車のよく通る   髙橋白崔
  秋気澄むあなたまかせについてゆく   飯沼瑶子
  秋風に貝踏む音のかすかかな  

安藤恭子
  杭並び鵜も並びけり秋の潟   柴田幾太郎
  橋渡るとき秋草の語りだす  

柚子谷イネ
  荻原に称へ合ひたる泥の靴   古谷智子
  この涙なんの涙か天高し  

後閑達雄
 

糟糠の妻あほらしや秋の風  

津田ひびき
  晴れでもなく雨でもなくてうすら寒  

内田創太
  家々の軒に神灯ななかまど  

山田 澪
  胸底に痛みなき傷螻蛄鳴く   水原節子
  川音は夜こそ激し碇星  

しおののり子
  烈烈と火星のありて夜半の秋  

熊谷かりん
  星飛んでくぼみの深き椅子ひとつ  

小林すみれ
  新刊とサンドイッチと夜長猫  

川島 葵
  二度寝して夢の寂しき銀木犀  

山月
  無患子やこれでは泣くこともできず   亀井千代志
  皀角子や不意の言葉が胸打つて   石田郷子
     
     
※Page Top   ※Back Number

line
Copyright(C) 椋俳句会 All rights reserved. 当ホームページに掲載の文章・画像などを無断で転載・再配布することはお断りします。