2019年 <小満号>     
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第87  
     
  もの少し贈りてからは冬籠   川島 葵
  粉筒を振る音冬野広がりぬ   西田邦一
  別荘に人戻りくる年の暮   蓬子
 

つれあひと呼ぶ人ありて冬ぬくし  

くろすようこ
 

小夜時雨こはいゆめなどみぬやうに  

今野浮儚
  風に鳴ること限りなき枯芭蕉   あかね雲
 

冬柏いたいたしいと思はぬか  

花野日余子
  綿虫や傘閉ぢて雨音を解く   水原節子
  白鳥をすこし見て来し喫茶店   小関菜都子
  この寒さだよねと遠く来て思ふ   近藤千津子
  波やさしければ鴨など数へたし   市川薹子
 

名前判らぬ冬鳥を見失ふ  

棚網かける
 

並べ干す布団の下を小名木川  

立本美知代
 

一瞬の走者の影や冬の草  

柚子谷イネ
 

蠟梅を見むとおほかた男坂  

佐々木ヒロシ
  初便り心清らに丁寧に   宇野 徳
  門に息ととのへてゐる賀客かな   田草川㓛子
  日々の疾く過ぎて六日の風荒し   福田鬼晶
 

息深く吸へば喜寿なる若菜粥  

山下きさ
 

懐手吹つ掛けられてをりにけり  

上田りん
  着膨れてたうとう臍を失へる   林田裕章
  会ひて直ぐ新年会に誘はるる   亀井千代志
  松過ぎの句帖を開く膝の上   村上紀子
  寒禽や今のは深いかも知れない   青嶺
 

どの坂をゆくもきつぱり冬青空  

鈴木しずか
 

寒椿会はねばさよならも言へず  

藤井あかり
 

なやらひの手首を返してはならぬ  

対中いずみ
  麻雀の役に七対子春隣   白石正人
  料峭の火を焚く棕梠の葉陰かな   黒澤さや
 

木の影の起伏こまやか春の苔  

安藤恭子
  少しづつ蕾を割りて梅ひらく   曳地義治
  梅咲くや屋敷稲荷の扉の開いて   境野大波
 

蔵の扉を大きく開く雛の街  

内田こでまり
 

クロッカス一番乗りのつまらなく  

ぱんだ
 

山羊が臑汚して戻る春の草  

ふけとしこ
 

いつとなく消えてひとつの春の星  

近藤せきれい
  金色のしべ悼むなり落椿   髙橋白崔
 

春の浅しや杼のごとく鳥の過ぐ  

飯沼瑶子
  春一番離れぬやうに影法師   太田玲子
 

海苔巻の海苔のむらさき光悦忌  

海津篤子
 

駅に着く電車の見ゆる春田かな  

小椋 螢
  残る鴨土手のぼりくるのぼりくる   田中英花
  アネモネの真正面にゐて寂し   今田裕子
  春寒のそれでももう少し歩く   石田郷子
     
     
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