2018年 <大雪号>    
                   
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  anthorogy 石田郷子選

     
  otiba「椋」第85  
     
 

びいどろの棚の灯影も葉月かな  

黒澤さや
  ぱかりと開く眼球模型原爆忌   森 木聖
  八月やくわつと日の照る中に雨   渡井佳代子
 

槍鶏頭あめ細りをりひかりをり  

福田鬼晶
  学校に届く夕刊紫蘇は実に   市川薹子
  少しづつ忘るる人となり一葉   白石正人
  秋灯の果てにかそけき母の家   水原節子
  灯火親しおほきなお麩の御御御付   江口あをね
  さういへば胡桃を割つてくれたつけ   川島 葵
  桶に売る佃煮の照り秋澄めり   山澤一帰
  雨傘をひろげて閉ぢて新松子   田中遥子
 

ひと雨の秋の日傘を濡らしけり  

柚子谷イネ
 

差し色につかふ錆朱も西鶴忌  

ふけとしこ
  行く川のたまゆらひかる蜻蛉かな   市川英一
 

花のごと扇骨干され水の秋  

藤井紀子
  朝顔や夢の余白のやうな空   林田裕章
  水引草引けば蜘蛛の囲くづれけり   清水冬芽
  水引やもつと頭をやはらかく   武井清子
 

家ぬちのこゑの明るき木槿かな  

山下きさ
  鶏頭のほとりに母の暮れてをり   田中英花
 

木瓜の実のくつつき合うて深曇り  

とちおとめ
 

峰峰に堂宇鐘楼秋曇  

内田こでまり
  地に落ちてまだ睡たげな榠樝の実   村上紀子
 

役立たず役立てずあるくわりんの実  

小椋 螢
  雀らの侮りさうな案山子かな   立本美知代
  休田も秋を迎へてをりにけり   近藤千津子
 

思ふより夫の背低き花野かな  

ぱんだ
 

退りゆくとき露草を踏むごとし  

藤井あかり
  露葎静かに牛の立ちにけり   かたしま真実
 

野菊咲く小さな旅を思ひ立つ  

中村なのはな
  身支度のいとも簡単花茗荷   飯沼瑶子
  鍵盤のラの音放つ茸かな   山月
  庭椅子の草に沈めり昼の虫   真鍋千枝子
 

鉦叩更地も闇も真新し  

西田克憲
 

また来ると言ひし別れよ鉦叩  

岡みやこ
  鈴虫や母を眠らす偽薬   後閑達雄
 

里まつり獅子舞の息あがりたる  

鈴木しずか
  ありあひの月見の草を鶴首に   海津篤子
  灯に雨あらはなる新豆腐   安藤恭子
  蕎麦掻の隠れ山葵の良夜かな   田草川㓛子
  幼子を抱き寄せ秋のサングラス   亀井千代志
  バスの戸のプシューと開いて秋の昼   宇田川指月
  秋場所に一喜一憂して夫と   中野晴代
  いわし雲まごに問はれし老の夢   小杉健一
 

内湖とも沼とも言へり初鴨来  

対中いずみ
  十月の山茶花ふいに香りけり   石田郷子
     
     
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