2021年 <雨水号>
走り根をまたぎて年を越すごとし
寒星や涙とはふいにこぼるる
寒き夜をみひらきしまま逝きにけり
尾で応ふる猫よ十二月の窓よ
猫なれどもの申したる年の暮
小祠に茶碗転けたる小六月
枇杷咲いて人住んでゐるはずはなく
靴履いて出づるうどん屋冬浅し
糶られゐる刀の鍔や冬に入る
天泣のはつかな音も冬隣
石田郷子
猫なれど
椋
第
九 十 八 号
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